【フォトマスター検定対策】:ジャンル/機材・アクセサリー
「SDカードの種類(SD・SDHC・SDXC)」
SDカードの種類や規格の違いについて解説します。
記録メディアの種類ってどんなものがあるの?
SD、SDHC、SDXCカードの違いって?
SDカードのClass(SDスピードクラス)って?
UHSスピードクラスって?
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はじめに
今回は、写真・カメラ周りで使用するSDカードについて解説します。
記録メディアとしてカメラを問わず様々なシーンで利用されているので、馴染み深い方も多いのではないでしょうか。
ただ、生活で使っていても、それぞれの規格やスペックなど、細かいところまで把握している方は少ないと思います。
今回の解説は写真・カメラというよりもデジタル分野の学習になりますが、意外にも記録メディア周りの知識はフォトマスター検定の過去問ではよく出題されています。なるべくシンプルにまとめましたので、しっかり整理して覚えておきましょう。
SDカードの種類(SD・SDHC・SDXCカード)
既に身近な記録メディアとなっているSDカードですが、対応ファイルシステムによって3種類に分かれます。
性能の低い順に、「SDカード」「SDHCカード」「SDXCカード」です。カードの形としては同一ですが、よくラベルを見ると上記のいずれかが書いてあるはずです。
ちなみにファイルシステムというのは、データを読み書きしたり、管理したりする仕組みのことです。
ファイルシステムは使用するホスト側に搭載されているので、パソコンや、カメラ側に搭載されていると考えてください。
一般的に、SDカードが対応しているファイルシステムは、古い順にFAT16、FAT32、exFATです。
この3つのファイルシステムのどれに対応しているかによって、SDカードの種類が分かれています。
(ファイルシステムは、3つの名前だけ覚えておけばひとまずOKです。)
カードの種類 | 容量 | 対応ファイルシステム |
SD | 2GBまで | FAT16 |
SDHC | 4~32GBまで | FAT32 |
SDXC | 32GB超~2TBまで | exFAT |
上の表に、対応するカードの種類とファイルシステムをまとめました。
種類によって、取り扱えるカードの容量も決まっていることがわかりますね。
もしも、手元にSDカードがあれば、容量とカードの種類を見てみてください。
上の表のルールにあてはまるはずです。
SDカードの上位互換性
SDカードはSD→SDHC→SDXCと発展していますが、進化発展型には上位互換性があります。
つまり、ファイルシステム「exFAT」を搭載しているカメラやPCでは、古いファイルシステムである「FAT16」や「FAT32」を対応しているSDカードやSDHCカードを問題なく使用することができます。
しかし、その逆はできません!
例えば、ファイルシステム「FAT32」を搭載している古いカメラやPCでは、「exFAT」対応カードであるSDXCカードを挿しても使用できないのです。
カードが壊れているわけではないのに、古い電化製品にSDカードを挿しても認識しない経験はありませんか?
これは、ホスト機(カメラやPCなど)のファイルシステムが古く、最新のカードに対応していないからなんですね。
ここでちょっと、応用編です。
いま、手元に新品のSDXCカード(64MB)が1枚あるとします。
このカードを、あるカメラA(ファイルシステム:FAT32)で使いたいとすると、どうすればよいでしょうか?
当然、ファイルシステムがFAT32なので古く、SDXCカードは使用できません。
(SDHCカードを買ってくれば解決なのですが、それは考えないでくださいね)
答えは、「SDXCカードをFAT32フォーマットする!」です。
今の問題は、SDXCの対応ファイルシステムと、カメラに搭載されているファイルシステムが合っていないことで起こっています。つまり、これをどうにか合わせこんであげれば解決です。
手順としては、カメラAのファイルシステムはFAT32なので、この機器でフォーマットするとFAT32フォーマットが可能です。SDXCカードを、SDHC化するようなイメージですね。ただし、FAT32フォーマットを行ってしまうと、SDXCカードをSDHC化したことになるので、利用可能な容量は64GB→32GB(SDHCの最大容量)に減ってしまいます。これは、FAT32で取り扱える最大容量が32GBまでだからです。
上記の例ではわざわざ64GBのカードを買ったのにも関わらず、32GBのカードにグレードダウンして使うことになるため、容量としては非常に損をする使い方になってしまいます。しかし、緊急策としてこういうこともできるんだ…ということを覚えておきましょう。
SDカードにおける転送速度の規格
SDカードには、カードにデータを書き込む際の最低転送速度を2つの規格で表しています。
転送速度の数値が大きくなるほど、データを速く書き込めるので性能がよいことになります。
●SDスピードクラス
「CLASS 2」「CLASS 4」「CLASS 6」「CLASS 10」の4段階で表されています。
データを読み書きする際の最低転送速度をクラス分けしており、2MB/秒、4MB/秒、6MB/秒…と、クラスの後ろに付いている数字が最低保証する転送速度(単位:MB/秒)を示しています。カードには、数字を丸く囲んだようなアイコンで記載されていることが多いです。
SDスピードクラス | 最低保証転送速度 |
CLASS 2 | 2[MB/秒] |
CLASS 4 | 4[MB/秒] |
CLASS 6 | 6[MB/秒] |
CLASS 10 | 10[MB/秒] |
●UHSスピードクラス
UHS(Ultra High Speed)の略称で、「UHSインターフェース」に対応していることを示しています。
近年はデジタルデータの容量が大きくなり、より高速なデータ転送が求められるようになってきました。
UHSのバススピード(やり取りの速度)は通常のSDカードよりも高速で、この高速インターフェースに接続したときのパフォーマンス速度を規格化しています。ちなみに、UHSには対応しておらず、SDスピードクラスの記載しかない場合もあります。
更に、UHSインターフェイスには「UHS-I」と「UHS-II」の2種類があり、カードによっては、どちらに対応しているかが「I」や「II」のマークで記載されていることもあります。
補足になりますが、理論上は「UHS-Iは104MB/秒」、「UHS-IIでは312MB/秒」の最大データ転送速度を出せると言われています。
UHSクラス | UHSインターフェース対応機器接続時の最低保証転送速度 |
UHS SPEED CLASS 1 | 10[MB/秒] |
UHS SPEED CLASS 3 | 30[MB/秒] |