【フォトマスター検定対策】:ジャンル/デジタル
「ミラーレスの特徴とメリット/デメリット」
ミラーレスカメラの特徴やメリット/デメリットについて解説します。
※別記事:「光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)」の内容を理解した方向けです
ミラーレスってなに?
ミラーレスカメラと一眼レフカメラの違いは?
ミラーレスカメラのメリット・デメリットは?
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ミラーレスカメラとは
急速にシェアを拡大し、今では大きな勢力となった「ミラーレス」カメラ。
今ではすっかりメジャーなカメラとなり、所持する方も増えていますが「通常のデジタルカメラとの違い」がわかるでしょうか?今回の記事では、ミラーレスカメラの特徴と、メリットやデメリットについて解説します。
ミラーレスカメラの解説に入る前に、まずは下の図をご覧ください。
こちらは「基礎知識編:一眼レフカメラの構造」で使用した図と同じものです。
通常の一眼レフは、レンズを通ってきた光をミラー(クイックリターンミラー)で反射させ、ファインダースクリーンに導きます。更に、ペンタプリズム(ペンタミラー)を用いてファインダースクリーンに写した像の天地左右を正しています。光学ファインダーを覗くと、「この天地左右が正された像」を確認することができる構造でした。
一方、ミラーレスカメラは上の図のような構造です。
言葉からも推測できるように、「ミラーレスカメラ」とは通常の一眼レフカメラに備わっているミラー(クイックリターンミラー)が存在しないデジタルカメラを指します。ミラーが無いと光学ファインダーで像を確認することができなくなってしまいますが、ミラーレスカメラは背面の液晶ディスプレイに像を映して確認できるようにしたり、別記事で解説した「電子ビューファインダー」を使用することで、光学ファインダーの代用としています。
ちなみに、ミラーレスカメラはシンプルに「ミラーレス」と呼ばれるほか、「ミラーレス一眼」「ミラーレス機」「ミラーレス式カメラ」などとも呼ばれています。CIPA(カメラ映像機器工業会)は統計上の呼称を「ノンフレックス」に決定していますが、通常のコンパクトデジタルカメラなどもこの定義に含まれてしまうため、やや広義の意味になってしまう点に注意しましょう。
ミラーレスカメラのメリット
ミラーレスカメラのメリットは、大きく分けて以下の3つです。
ほぼ、電子ビューファインダーの解説記事で述べた内容と同じですので詳細は割愛しますが、ミラーレスカメラの最大のメリットは「ボディの小型・軽量化」が可能になる点です。ミラーボックスとペンタプリズム(ペンタミラー)を省略できる点は、通常の一眼レフには無い大きなアドバンテージです。
【ミラーレスカメラのメリット】
(1) ミラーボックスを無くせるためボディを小型・軽量化できる
(2) ミラーショックによる微細なブレの心配がない
(3) 視野率100%の確保が可能
ミラーレスカメラのデメリット
一方、ミラーレスカメラのデメリットは以下の5つです。
【ミラーレスカメラのデメリット】
(1) レンズラインナップが少ない
(2) バッテリーの消費が激しい
(3) 撮像素子(イメージセンサー)が熱を持ちやすい
(4) 電子ビューファインダーに表示される画質が粗い
(5) 画像処理の都合上、タイムラグが発生する
(1) レンズラインナップが少ない
ミラーレスカメラはカメラを大幅に小型化できるために、レンズのマウントも変更されている場合が多いです。マウント変更の都合上、全体を見るとまだレンズラインナップが少ないのが現状です。マウントアダプターを使用すればある程度のレンズ資産の共有化が図れますが、一部の機能が制限されたりするなどの制約があります。
たとえば、Nikonのミラーレス機:Nikon1 V3は径の小さい「Nikon1マウント」を採用しています。専用アダプタを使用することで「Fマウント」のレンズを装着することもできますが、シングルポイントAFモード時にAFエリアが中央1点のみに制限され、100%の力を発揮することができません。
(2) バッテリーの消費が激しい
ミラーレスの最大のデメリットがこれです。ミラーレスカメラは常に撮像素子(イメージセンサー)を稼働させている都合上、どうしてもバッテリーの消費が激しくなります。
(3) 撮像素子(イメージセンサー)が熱を持ちやすい
ミラーレスカメラは撮像素子(イメージセンサー)を常に稼働しているため、撮像素子が熱を持ちやすい構造です。別記事:「ノイズの種類」で解説したように、撮像素子が熱を帯びると画像にノイズが発生しやすくなります。ミラーレスカメラはボディを小型化できるのが売りですが、あまりコンパクトに設計しすぎると、放熱面で不利になるという問題もあります。
(4) 電子ビューファインダーに表示される画質が粗い
(5) 画像処理の都合上、タイムラグが発生する
電子ビューファインダーの解説記事で解説しているため、詳細は割愛します。
(5)については電子ビューファインダーに像を映すか、背面液晶に映すかの差はありますが、どちらにせよ画像処理を行ってから映しているため、表示にタイムラグが発生します。
最後に
カメラはまず持ち運ぶことから始まるため、ミラーレスカメラの小型・軽量という点は非常に魅力的です。
ミラーレスカメラといえば、昔はAFが遅い…などと言われてきましたが近年はその差が少しずつ縮まっています。また、APS-Cサイズやフルサイズの撮像素子(イメージセンサー)を採用するミラーレス機種が増えたことで、画質面に関しても大きな差が見られなくなってきました。しかし、バッテリー面やファインダーの見やすさという面ではまだまだ改善の余地があるのも事実です。これからの発展に期待したいところですね。