【フォトマスター検定対策】:ジャンル/デジタル
「撮像素子のゴミとクリーニング」
撮像素子面にゴミが付着した場合の写真への影響と、清掃方法について解説します。
※別記事:「撮像素子の構造・仕組み」にて撮像素子(イメージセンサー)の概要を学習している方向けです
撮像素子にゴミがつくと、どのような悪影響が出るの?
撮像素子にゴミが付着する理由は?
ゴミが付着した場合の清掃方法は?
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撮像素子のゴミ
今回は、撮影を続ける上で避けては通れない、「撮像素子(イメージセンサー)のゴミ」について解説します。
一般的なデジタル一眼レフカメラには、撮像素子の前面に「ローパスフィルター」が搭載されています(ローパスフィルターレスの機種も存在します)。このローパスフィルターもしくは撮像素子前面にゴミや埃、汚れが付着したまま撮影すると、写真に黒っぽく写りこんでしまうことがあります。(便宜上、本記事ではひとまとめにして「撮像素子」で解説しています)
まずは例を見てみましょう。
こちらの写真は、某人気キャラクターのフィギュアを撮影したものになります。
この写真には撮像素子に付着したゴミ・汚れが「3個」写りこんでいるのですが、わかるでしょうか?
答え合わせです。図の赤丸で囲んだシミ状の写りこみが、撮像素子に付着したゴミ・汚れ起因のものになります。
なお、撮像素子に付着したゴミや汚れは、以下の3つの条件を満たして撮影すると確認しやすいです。
簡単にできる撮像素子のゴミ・汚れチェック
(1) レンズの絞りを最大まで絞る(F16やF22など)
(2) 可能な限りISO感度は低感度に設定する
(3) 白い紙や壁、空などを撮影する
上の写真は、F11、ISO200に設定しつつ、白い床を撮影したためにゴミが目立って写っています。簡単に確認できるので、お手元のカメラで是非試してみてください。ちなみに、撮像素子ではなくレンズの前玉(一番被写体側)にゴミが付着した場合は、よほど大きいものでない限りは黒く写りこむ可能性は低いです(結像面への影響が少ないため)。
ゴミが発生する理由
これらのゴミが発生する理由は、大きく分けて2つです。
(1) 外から入ってくるゴミ
撮像素子に付着するゴミは外から侵入するものがほとんどで、レンズを交換するタイミングでカメラ内部に侵入しやすいです。マウント部やレンズの後玉(マウント側)に付着したゴミが、ミラーボックス内に蓄積されて、撮影時のシャッター動作でゴミが巻き上げられることで撮像素子に付着します。
(2) 内部から発生するゴミ
外から入ってくるものほど多くはありませんが、ゴミとしてはシャッターの動作によって発生するメカダストも考えられます。機械式のシャッターを採用している機種では避けられない問題と言えます。
カメラ内部から発生するゴミはユーザーが容易にコントロールできるものではないですが、外から入ってくるゴミに対しては注意が必要です。ゴミの侵入を防ぐために、レンズを交換する場合は風や埃の少ない場所で行うのはもちろん、カメラのマウント部を下に向け、素早く交換する必要があります。
撮像素子にゴミが付着したら
もし、撮像素子にゴミが付着していることが判明したら…。
メーカーのサービスセンターに持ち込むか、カメラの機能を使用するか、自分で清掃するかの3つの手段があります。
(1) メーカーのサービスセンターに持ち込む
撮像素子のゴミ清掃は比較的安価で行えます。メーカーや程度にもよりますが、目安としてサービス料は1,000円前後になる場合が多いようです。サービスセンターに送ったり、直接持ち込む手間はかかりますが、最も安全な方法です。
(2) カメラのゴミ除去機能を使用する
機種によっては、撮像素子のゴミ除去機能を備えているものがあります。メーカーによって手法・呼び方が異なりますが、ローパスフィルターなどに取り付けられた超音波振動ユニットを作動させたり、手ぶれ補正機構を応用して撮像素子自体を動かすことでゴミを弾き飛ばすことができます。キヤノンでは「セルフクリーニングセンサーユニット」、ニコンでは「イメージセンサークリーニング」、オリンパスでは「ダストリダクション」などと呼ばれます。
(3) 自分で清掃する
撮像素子を傷つけたり、状態が悪化する可能性もあるのでお勧めしませんが、市販のクリーニングキットやブロワー(空気でゴミを飛ばす道具)を用いて自分で清掃する手段もあります。撮像素子表面は非常にデリケートで、傷つけるリスクが高い上、ブロワーなどで吹き飛ばすことができたとしても、ゴミがカメラの外に出ない限りは再度付着のリスクが残ります。撮像素子を傷つけてしまうと、交換には高額な費用が発生するためお勧めはしません。サービスセンターに依頼するのが安全・確実です。
(番外) レタッチで消す
PhotoshopやLightroomなどのソフトを用いることで、ある程度のゴミの写りこみはレタッチで消すことができます。しかし、恒久的な解決ではなく、撮影枚数が増えるごとに負担も増えるので、早めの対策が必要です。
残念ながら、撮影を続ける以上はゴミの混入リスクはゼロにはできません。
ゴミが入らないように可能な限り注意し、定期的に上述した手順でチェックする習慣をつけることをお勧めします。仮に撮像素子にゴミが付着してしまった場合は、放置せずに早めに対処しましょう。