【フォトマスター検定対策】:ジャンル/デジタル
「画素と画素数」
デジタルカメラにおける画素・画素数について解説します。
別記事:撮像素子の構造・仕組みで撮像素子(イメージセンサー)の概要を理解している方向けです
画素とは?
画素数って何?
総画素数、有効画素数って?
画素数は多ければいいの?
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デジタルカメラの画素・画素数とは
撮像素子には、受光素子であるフォトダイオードがぎっしりと並んでいます。
この1個のフォトダイオードが「1画素」に相当し、「画像を構成する最小単位」です。
また、画素は「ピクセル(pixel)」や「ドット(dot)」とも表記されます。
画像における「画素」「ピクセル」「ドット」の3つは、ほぼ同じ意味合いと考えて差し支えありません。
CCDやCMOSなどの撮像素子一面に存在する全ての画素の数を、合わせて「画素数」と呼びます。
最近のカメラではこの画素数を売りにしている機種も多いので、耳にした方も多いではないでしょうか?
これまでの説明でもわかるように、受光素子の数が多ければ、当然それに伴って画素数も多くなります。
同じ画像サイズで比較する場合は、画素数が多い方がより解像感の高い、細部まで表現された画像になります。
また、後から画像をトリミング(切り出し)する場合も、画素数が多い方が余裕があり、精細感を維持できます。
たとえば、緊急回避的な使い方になりますが…。
横構図で撮ったものを、後からトリミングで縦構図で切り取りたい場合などは、画素数が多いと有利です。
こうした理由から、画素数の多さを売りにしている機種が多いわけですね。
しかし、別記事「撮像素子のサイズ」でも解説したように、画像の美しさは画素数だけでは決まりません。
画素の数だけではなく、画素1個当たりの面積(サイズ)も重要です。
その理由は、画素自体のサイズが大きいと光を豊富に取り込むことができ、ノイズの少ない画像を得ることができるからです。
さて、ここで問題です。
【問題】
「フルサイズセンサーの機種A」と「APS-Cセンサーの機種B」があります。
画素数は、A,Bともに2400万画素だと仮定しましょう。
AとB、どちらの機種がよりノイズの発生を抑えられる構造でしょうか?
(撮像素子(イメージセンサー)の大きさ以外は全て同じ条件と仮定します)
答えは、フルサイズである「機種A」です。
撮像素子全体の面積は、フルサイズの方が大きいことは別記事「撮像素子のサイズ」にて既に理解していると思います。
同じ画素数で比較しているので、フルサイズの方が、1画素あたりの受光面積が大きくなります。
したがって、この場合はフルサイズである「機種A」の方が有利です。
総画素数、有効画素数、記録画素数とは
画素数の表し方は、厳密には「総画素数」「有効画素数」「記録画素数」の3種類があります。
総画素数は、CCDやCMOSなどの撮像素子一面に並んだ、全ての受光素子の数です。
これはイメージしやすいですし、わかりやすいと思います。
では、「有効画素数」「記録画素数」とはなんでしょうか?
実は、デジタルカメラは撮像素子に敷き詰められた全ての受光素子をフルに使っていません。
一般的に、撮像素子の外周付近の受光素子は使われていないのです(信号を出力していない)。
全ての画素の数を表す「総画素数」から、使われていない外周付近の画素の数を引いたものが「有効画素数」です。
試しに、各社のカメラの商品ページに飛んで、スペック表(仕様表)を見てみてください。
多くの場合、総画素数と有効画素数が記載されているはずです。
たとえば、「Nikon D500」であれば、総画素数は2151万画素、有効画素数は2088万画素と書いてあります。
2151万画素(総画素数)ー 2088万画素(有効画素数)= 63万画素
上記のように計算すると、周囲の63万画素は使っていないということになります。
続いて、「記録画素数」とはなんでしょうか?
記録画素数とは、実際に記録メディア(たとえば、SDカードやコンパクトフラッシュなど)に記録される画素数です。
記録画素数は有効画素数に近い値ですが、有効画素数よりも記録画素数の方が若干少なくなる場合が多いです。
これは、画像データとしてのアスペクト比を合わせるために、カメラの内部処理でわずかなトリミングを行ったりするためです。
ここでは、「記録画素数 ≦ 有効画素数」…と覚えておきましょう!
画素について、理解できたでしょうか?
単語としては聞いたことがあっても、定義まではわからなかった方は多いと思います。
カメラのスペックを正しく理解できるようになるので、是非頭の中で整理しておいてください。