【フォトマスター検定対策】:ジャンル/デジタル
「ノイズの種類(高感度ノイズと長秒ノイズ)」
撮影に悪影響を及ぼす、ノイズについて解説します。
※別記事:「ISO感度」の内容を学習した方向けです
ノイズってなに?
ノイズにはどんな種類があるの?
高感度ノイズってなに?
長秒ノイズってなに?
ノイズを減らす方法は?
スポンサーリンク
ノイズの種類
デジタルカメラにおいて、本来必要な電気信号以外の余分な信号を「ノイズ」と呼びます。
夜間の撮影時や星空の撮影時に発生しやすく、画質を大きく低下させる要素のひとつです。
ノイズは、大きく分けて2種類に分かれます。
ノイズの種類
(1) 高感度ノイズ
(2) 長秒ノイズ
高感度ノイズとは
「高感度ノイズ」は、その名の通りカメラのISO感度を上げた際に(高感度に設定した際に)発生します。
高感度ノイズは更に2種類に分かれ、写真のざらつきに繋がる「輝度ノイズ」と、被写体に本来発生しないはずの色が発生する「カラーノイズ」が存在します。
高感度ノイズが発生する原因としては、S(Signal)/N(Noize)比の悪化…といった専門的な理由があるのですが、概要を理解する上ではあまり重要ではないため、ここでは割愛します。
こちらの写真はISO6400で撮影したサンプルです。
古い機種で撮影したサンプルなので、輝度ノイズが目立ち、全体的にざらついた画質であることがわかると思います。ちなみに、上の作例ではカラーノイズに関してはあまり目立ってはいませんね。
補足ですが、機種によって高感度ノイズの目立ちやすさは異なります。
最近の機種は高感度に強く、ノイズ処理技術が向上したモデルが多いので、上の作例と同条件で比較してもここまで目立たないものも多いです。
高感度ノイズは、以下のような対策で修正することができます。
高感度ノイズ対策
(1) 可能な限りISO感度を下げる
(2) カメラの高感度ノイズ低減機能(高感度ノイズリダクション)を使用する
(3) レタッチソフト(各メーカーの現像ソフトやLightroom)のノイズ低減機能を使用する
注意
カメラ/レタッチソフトを問わず、ノイズ低減機能は「画像を塗り絵のように塗りつぶす」イメージです。周りの色に合わせて塗りつぶすことで、輝度ノイズのざらつきやカラーノイズの色部分を隠しています。非常に便利な機能ではありますが、「塗り潰して隠す」都合上、被写体のディテール(緻密さ)が失われていくデメリットがあります。トレードオフの関係なので、ノイズ(画質)とディテール(写真の緻密さ)の妥協点を探して、処理を行う必要があります。
長秒ノイズ、長時間ノイズとは
「長秒ノイズ」とは、画面の中に星のような明るい輝点や輝度ムラが発生する現象です。
主に、シャッタースピードを長くした(遅くした)際に発生することから、「長秒ノイズ」「長時間ノイズ」と呼ばれます。真夏の屋外での撮影や、星を撮影するために長時間露光を行う際などに発生しやすいノイズです。
この長秒ノイズが発生する原因は、「熱」です。
デジタルカメラは露光を行っている間、撮像素子(イメージセンサー)が頑張って光を取り込もうとします。このとき長時間の露光を行うと、受光素子が熱を持ち過ぎて暴走してしまい、本来は存在しないはずの場所に電気信号を生じてしまうことがあります。これが長秒ノイズに繋がります。また、真夏日など気温・室温が高い条件で撮影した場合も、撮像素子(イメージセンサー)が熱を持ち、上と同様の現象が起きる可能性があります。
長秒ノイズは、以下のような対策で低減・修正ができます。
長秒ノイズ対策
(1) 可能な限りシャッタースピードを早くする(短くする)
(2) レタッチソフトで修正する(隠す)
(3) カメラの長秒ノイズ低減機能(長秒ノイズリダクション)を使用する
注意
長秒ノイズ低減機能は、画像(長秒ノイズ込み)を撮影した直後に、撮影時と同じ秒数のダークファイル(長秒ノイズのみ写っている画像)を取得して、元画像から引く画像処理を行うことで、ノイズを消す機能です。撮影時と同じ秒数のダークファイルを取得する分、撮影時間は2倍かかってしまうのがデメリットです。
(例) シャッタースピード(5秒) + ダークファイル取得(5秒) = 10秒(2倍かかる)
長秒ノイズは高感度ノイズと異なり、あまり広範囲に出るものではありません。しかし、夜景撮影などで不自然な輝点として現れがちで、目立ちやすいノイズです。発生する原因と、適切な対処方法を頭に入れておきましょう。