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【レンズ編:01】球面収差とは | 一発合格!フォトマスター検定

【レンズ編:01】球面収差とは

更新日:

 

【フォトマスター検定対策】:ジャンル/レンズ

「球面収差とは」

ザイデルの5収差のひとつ、最も基本的な収差である「球面収差」について解説します。

 

収差ってなに?

単色収差、色収差って?

ザイデル収差、ザイデルの5収差ってなに?

球面収差ってなに?

球面収差を低減する方法は?

 

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収差とは

 

「収差」とは、理想的な結像からのずれのことです。

ある1点から出た光をレンズを当てるとすると、理想的なレンズであれば、光はレンズを透過したあとも1点に集まります。しかし、実際にはそのような完全なレンズを作ることは不可能で、様々な要因で像がにじんだり、ボケたり、変形したりします。

収差の種類としては、主に5種類の「単色収差」と呼ばれるものと、2種類の「色収差」と呼ばれるものが存在します。
「単色収差」は基本的にレンズの形状が原因となって現れるもので、単色という言葉からもわかるように、光の色には関係なく発生します。「色収差」は、レンズを構成している材料の分散によって発生するもので、色のずれとして現れてきます。また、5種類の単色収差は発見者のルートヴィヒ・ザイデル氏(ドイツ)にちなんで、ザイデルの5収差、ザイデル収差などと呼ばれています。

 

収差は、言ってしまえば「レンズの不完全性」によるものです。
全てを抑えこみ完璧に補正することは不可能なため、この収差をこれぐらい補正して、この収差は目立たないためこれぐらい残す…というようにレンズ設計者の腕が試される部分といえます。一般的に補正しきれなかった収差は欠点に捉えられがちですが、この収差こそがレンズの味・個性だと考えることができます。余談になりますが、オールドレンズなどは収差の補正が十分でないために特徴のある写りをするものが多く、このクセ・個性を求める愛好家も多いです。

 


単色収差、色収差の種類

 

単色収差、色収差は次のように分類されます。

 

●単色収差(5種類)

(1) 球面収差
(2) コマ収差
(3) 非点収差
(4) 像面湾曲
(5) 歪曲収差

 

●色収差(2種類)

(1) 軸上色収差
(2) 倍率色収差

 

いきなり多くの難しい単語が登場し、戸惑った方も多いと思います。
レンズ周りの学習は苦手意識を持つ方も多く、特に収差の概念は難しいです。解説を分けて少しずつ理解できるように書いていきますのでご安心ください。今回は、収差の中でも理解しやすく、基本的な知識でもある「球面収差」について解説します。

 

 


球面収差とは

 

 

それでは、ザイデルの5収差のひとつ、「球面収差」について解説していきます。
まず、レンズに平行な光を当て、光を透過・屈折させていきます。上の画像をイメージしてください。

 

 

 

さきほどのイメージ図を、真横から見た図になります。レンズを通った光がどのように進むかを見ていきましょう。

理想的なレンズであれば、レンズに平行に入ってきた光は、レンズで屈折し1点(焦点)に集まります。
レンズの周辺部から入ってきた光も、中心部(中心に近いところ)から入ってきた光も、同じ焦点に集まっていますね。
(恐らく、中学校の理科の授業で習ったはずです)

 

 

 

しかし、実際のレンズは理想的なレンズのようには作れません。
わかりやすいように光を2本だけ描いていますが、レンズの周辺部から入ってきた光と、中心部(中心に近いところ)から入ってきた光では、光軸上で同じところに集まりません。

 

 

 

もう少し、光の数を増やしてみました。
レンズのどこを通るかによって、光軸上で集まる位置が前後にばらついてしまう現象…これが「球面収差」です。
このばらつきが大きくなるほど、画質は低下していきます。

 

 

 

この球面収差は、ある程度であれば「レンズの絞りを絞ることで改善」できます。

レンズの絞りは、光の通り道を遮る機構で、外側から内側に向けて閉じていくような構造です。
絞りを絞ると図のようにレンズの周辺部を通る光を遮ることができ、光軸上で光が集まる位置のばらつき低減に繋がるため、画質を向上させることができます。明るい単焦点レンズなどで、数段絞ると画質が向上する…などと言われているのはこれが理由のひとつです。

 

 

球面収差のイメージが掴めたでしょうか?
レンズ周りの学習は確かに難しいですが、一つ一つ確実にマスターしていけば怖いものはありません。少しでも苦手意識を取り除けるように解説していきますので、頑張りましょう!

 

 

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