「Have a break:04」
このカテゴリでは、勉強の合間の息抜きになるような読み物を書いていきます。
写真・カメラの勉強に飽きたり、疲れてしまったときは、このカテゴリの記事で一息つきましょう。
機材・アクセサリー編にてフィルターを数多く解説しているので、今回の「Have a Break」では撮影の表現の幅を広げるアクセサリー:「クロスフィルター」について解説します。
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クロスフィルターって?
「クロスフィルター」は「クロススクリーンフィルター」とも呼ばれているフィルターです。
このクロスフィルターを装着して光源を撮影すると、光条または光芒と呼ばれる光の筋が伸びて、キラキラと輝くように写すことができます。クロスフィルターは、夜景撮影やイルミネーション撮影において、光をより印象的に写すことができる人気のアクセサリーです。手軽に使用でき、比較的安価なのもポイントです。
まずはクロスフィルターを使った作例を見てみましょう。
こちらの写真は、さいたま新都心のイルミネーションを撮影したものです。
クロスフィルターの効果がわかりやすくなるよう、やや大げさに撮ってみました。
イルミネーションひとつひとつの光源から光の筋が伸びて、まぶしく輝いているように写せているのがわかると思います。このように、光をキラキラと輝かせて印象的に写すことのできるフィルターが「クロスフィルター」です。
クロスフィルターの仕組み
ではなぜ、クロスフィルターを装着すると「光条・光芒」を生み出せるのでしょうか?
その秘密は、クロスフィルターの表面にあります。
クロスフィルターのガラス面には、格子状の細い溝が切ってあります。
イメージとしては、方眼紙のマス目のような溝が切ってあると考えてください。ちなみに、この格子状の溝は、肉眼でも確認できます。クロスフィルターをお持ちの方は、ガラス面を見てみてください。
カラクリとしては、光源からの光がフィルターのガラス面に切られた溝に沿って流れることで、先ほどの作例でお見せしたような美しい光条・光芒を生み出しています。マス目に沿って光が僅かに滲んでいるようなイメージです。また、この溝のパターンによって、光条・光芒の形状も異なってきます。
メジャーなものとしては、「4本線タイプ」「6本線タイプ」「8本線タイプ」などが一般的です。
上の作例では、光条・光芒が十字に表れる「4本線タイプ」を使用しています。撮影シーンに合わせ、より印象的な写真になるように選択しましょう。
実験:クロスフィルターを自作してみました
クロスフィルターは、透明なガラスに細かい格子状の溝を切ったシンプルな構造です。
精度はともかくとして、これならば自作できるのではないかと考え、挑戦してみました。
【100円ショップで買ってきたもの】
・透明なハードケース
・輪ゴム
・カッター
ハードケースをガラス面に見立て、カッターで細かい格子溝を切っていきます。
さすがに手作業なので溝の幅・深さにばらつきは出てしまうものの、可能な限り均等な仕上がりになるように心がけました。完成した擬似クロスフィルターを簡易的に輪ゴムで固定し、撮影したところ…
見事成功しました!
ハードケースの透明度はガラスに適いませんし、光軸に対し擬似クロスフィルターを完全な平行状態に取り付けられていないため、画質は予想通り低下しています。そのため、Lightroomで少しだけシャープネスをかけ、コントラストを上げています。市販品のクオリティには程遠いですが、十字の光条・光芒が出ているのははっきりわかりますね。
恒久的に使えるようなシロモノではありませんが、クロスフィルターの仕組みを理解するには十分な実験でした。