【フォトマスター検定対策】:ジャンル/機材・アクセサリー
「NDフィルターとは」
PLフィルターに次いでメジャーなアクセサリーであるNDフィルターについて解説します。
NDフィルターってなに?
NDフィルターの使い方は?
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フィルターとは
数回に渡り、カメラアクセサリの中でもメジャーな「フィルター」について解説していきます。
フィルターとは、レンズの前面に装着するアクセサリです。
フィルターの役割の例としては、レンズの前玉(一番被写体側に位置するレンズです)を保護したり、特定の波長の光をカットしたり、色を補正したりする効果があります。
装着方法としてはねじ込み式や専用のアダプタが必要になるものまで様々ですが、最近のレンズはレンズ前面にねじ山が切ってあり(雌ねじ)、ここにフィルター側にも切ってあるねじ(雄ねじ)をねじ込むことで装着するのが一般的です。一部のレンズ(超広角レンズなど)は前玉が飛び出していて、物理的にこのフィルターが装着できないものも存在します。また、フィルターにはさらにねじが切ってあり(雌ねじ)、複数枚のフィルターを重ねて装着することもできます。
PLフィルターに続き、フィルターの中でもメジャーな「NDフィルター」について解説します。
NDフィルターとは
NDフィルターの「ND」とは「Neutral Density」の略称です。
ちなみに、Neutralは「中立な」、Densityは「密度」という意味を持っています。
中立な密度を持つフィルター…と言ってもなかなかピンと来ませんが、簡潔に言えばレンズに入ってくる光を、均一に吸収する効果を持つのが「NDフィルター」です。その機能から、「減光フィルター」などと呼ばれたりします。
NDフィルターの特徴は、発色に影響を及ぼすことなく、入ってくる光の量だけを減らすことができます。
PLフィルターのように、偏光をカットするような効果はありません。色のバランスや明暗のコントラストを変えずに入ってくる光の量だけを減らすので、カメラにとってのサングラスのようなイメージです。ちなみに、フィルターの色味はグレーがかっています。
NDフィルターの種類
NDフィルターは、減光効果の強さによって種類(タイプ)が分かれています。
NDフィルターの種類は、「ND4」のように英語の「ND」+「数字」で表すのが一般的です。
ND2、ND4、ND8、ND16...というように数字が大きくなるほど減光効果が高くなります。
「ND」の後に続く数字は、「このフィルターを装着したときに、レンズに入ってくる光量を何分の1にしますよ」という意味です。たとえば、ND2なら光量を1/2に、ND8なら光量を1/8まで落とせます。
【+αの知識】
光量を1/2にする…というのは、露出としては「シャッター速度を1段速めたとき」または「絞りを1段絞ったとき」と同じ明るさです。ND4なら光量が1/4になるので2段分、ND8なら3段分の変化(=暗くする)になります。
NDフィルターはどんな時に使う?
NDフィルターは入ってくる光を減らすもの…。
ぱっと聞いただけでは、どんなシーンで使用するものなのかイメージが沸きませんね。「光量を減らす」という説明から、一見役に立つアクセサリには思えないかもしれません。しかし、シーンによっては大活躍するアイテムのひとつです。
NDフィルターが活躍する場面は、主に以下の2つです。
(1) 長秒露光を行いたい(シャッタースピードをできる限り遅くしたい)場合
NDフィルターの出番の大半はこちらです。
川や滝の撮影など、水の動きを流して撮りたい場合は、シャッタースピードを極力遅くする必要があります。シャッタースピードを遅くすると…入ってくる光の量が増えるので、適正露出を得るためには絞りを絞る必要があります。しかし、最小絞りまで絞り込んでも適正露出が得られない(露出オーバーになってしまう)場合は、NDフィルターを使って減光することで、意図通りのシャッタースピードを使用することが可能になります。
実際に、作例を交えて整理してみましょう。
まずは上の滝の写真を見てください。
撮影時、私は水の動きを流して撮影したかったため、シャッタースピード3秒程度で撮りたいと考えました。
しかし、最小絞りであるF22に設定し、ISO感度も下限であるISO100に設定しても露出オーバーとなってしまいました。そのままでは、シャッタースピード3秒という設定を諦めるしかないのですが、ここでNDフィルターの登場です。NDフィルター(ND8)をレンズに装着し、レンズに入ってくる光量を1/8にしたところ、上の写真のようにきちんと適正露出を得ることができています。
(2) 明るい場所で、レンズの絞りを開けて(F値を小さくして)使用したい
大抵はF1.8やF2.8など、明るいレンズを装着している場合の使い方です。
晴天時の日中など非常に明るい場所で、レンズの絞りを開けて撮影したい場合にもNDフィルターは活躍します。
(例:日中のポートレート撮影で、被写界深度を浅くして背景をボカしたいときなど)
絞りを開いてF値を小さくすると…入ってくる光の量が増えるため、適正露出を得るにはシャッタースピードを速める必要があります。しかし、カメラの高速シャッターの限界…たとえば1/4000秒や1/8000秒に設定しても、適正露出が得られない(露出オーバーになってしまう)場合があります。このようなケースのとき、NDフィルターを使って減光することで、意図通りのF値を使用することが可能になります。