カメラのピント調整を可能にする、「フォーカス機能」について解説します。
オートフォーカスって?
オートフォーカスの種類はどんなものがあるの?
どんなときにフォーカスモードを使い分けるの?
マニュアルフォーカスって?
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オートフォーカス(AF)とは?
オートフォーカス(AF)とは、自動的にカメラがピントを被写体に合わせてくれる機能のことです。
自動焦点調節(=Auto Focus)の頭文字を取り、「AF」と略されることも多いです。
デジタル一眼レフカメラであれば大半の機種に搭載されており、撮影を行う上で非常に便利です。
一般的にオートフォーカス機能は「シャッターボタンを半押ししたとき」に動作します。
大まかな流れを示すと、以下のようなイメージです。
(1) 被写体や構図を決める
(2) シャッターボタンを半押しし、オートフォーカスでピントを合わせる
(3) シャッターボタンを完全に押し、シャッターを切る
【+αの知識(詳しく知りたい方向け)】
現在のデジタル一眼レフカメラでは「TTL位相検出方式」が主流です。
レンズから入ってきた光をCCDラインセンサー上に結像させて、ピント位置を計測します。
そのピント位置に合わせて、レンズをモーターで駆動させることによってピントを調整する仕組みです。
ミラーレスやコンパクトデジタルカメラでは、「コントラスト検出方式」が主流です。
撮像素子(イメージセンサー)に投影された画像のコントラストが「最も高くなったとき=ピントが合ったところ」として検出しています
オートフォーカス(AF)の種類
オートフォーカスには撮影時のシチュエーションや被写体に合わせて、いくつかのモードが用意されています。
メーカーや機種によって呼び方やアルゴリズムは異なるものの、大きく分けると以下の3つです。
(1) AF-S(シングルAF、ワンショットAF)
(2) AF-C(コンティニュアスAF、AIサーボAF)
(3) AF-A(AF制御自動切換え、AIフォーカスAF)
ひとつずつ解説していきます。
(1) AF-S(シングルAF、ワンショットAF)
最もオーソドックスなAFです。
シャッターボタンを半押しするとオートフォーカスが働き、ピントが合うとそこでピントを固定します。
被写体が移動した場合は、一度シャッターボタンを戻し、再度半押しします。
半押しすることでピントを固定する動作を「フォーカスロック(AFロック)」と呼びます。
メリットとしては、一度被写体にピントを合わせてロックし、シャッターボタンを押しこむまでに構図・フレーミングを整えることができます。
動かない被写体や風景の撮影などに向いています。
(2) AF-C(コンティニュアスAF、AIサーボAF)
動体予測AFとも呼ばれます。
「動いている被写体に追従して、カメラがピントを合わせてくれるAF」です。
AF-Cの「C」は「Continuous(連続的な)」の頭文字から来ています。
シャッターボタンを半押ししている間、継続的にAFが働いてピントを合わせ続けます。
近年には各メーカーの動体予測アルゴリズムが発達しており、カメラに向かってくる、カメラから遠ざかる動きだけではなく、画面内をランダムに移動するなどの複雑な動きにも対応できるようになってきました。
スポーツ撮影や鉄道撮影など、動いている被写体を撮影する際に有効です。
(3) AF-A(AF制御自動切換え、AIフォーカスAF)
「AF-SとAF-Cのどちらを使うか、カメラが自動で判別・切り替えるAF」です。
メーカーや機種にもよりますが、搭載されている場合があります。
シャッターボタンを半押しすると、一度ピントを被写体に固定します。
ここまではAF-Sと変わりませんが、そこから被写体が移動し、カメラとの位置関係が変わると、AF-Cに自動で切り替わり、被写体にピントを合わせ続けるモードです。
動く被写体と動かない被写体を次々に撮っていく場合や、逐次フォーカスモードを切り替えるのが面倒な場合などには便利です。
マニュアルフォーカス(MF)
マニュアルフォーカス(MF)とは、カメラに頼らずに手動でピントを合わせられる機能です。
一般的に、AF対応のレンズの多くにはAF/MF切換えスイッチが備わっています。
このスイッチをMFに切り替え、レンズに付いているピントリングを手動で回すことでピントを合わせます。
「カメラのAFが意図した場所に合ってくれないないとき」や、上記のようなマクロ撮影などで「非常にシビアなピント精度」が求められるときは、このマニュアルフォーカスを使うと便利です。
【+αの知識(詳しく知りたい方向け)】
中には、「フルタイムマニュアルフォーカス」に対応しているレンズも存在します。
このレンズは、スイッチがAFだろうとMFだろうと、ピントリングを回せばピント合わせが可能なレンズです。
(1) AFで大まかなピントを合わせる
(2) ピントリングを回して微調整を行う
(3) シャッターを切る
…といった動作を、AF/MFスイッチを切り替えることなくスムーズに行うことが可能です。
お手持ちのレンズが対応しているかどうか、一度調べてみることをお勧めします。
最後に
フォーカスモードの種類・違いが掴めたでしょうか?
フォーカスモードは撮影モードと組み合わせ、頻繁に使用する機能です。
この記事を読んでイメージが掴めたら、どこで切り替えて、どう変わるのかをお手持ちのカメラで確認してみることをお勧めします。
基礎知識編もそろそろ終盤、初心者脱出は目の前です!