【フォトマスター検定対策】:ジャンル/デジタル
「電子シャッター」
コンパクトデジタルカメラやミラーレスカメラに採用されている「電子シャッター」について解説します。
※別記事:「CCDとCMOSの違い」の内容を学習した方向けです
電子シャッターってなに?
電子シャッターの仕組みは?
電子シャッターの種類はどんなものがあるの?
電子シャッターのメリット・デメリットは?
ローリングシャッター現象・ローリングシャッター歪みって?
スポンサーリンク
電子シャッターとは
「電子シャッター」とは、通常の機械式シャッターとは異なり、光電流を取り込む時間を電気的にコントロールするシャッター形式を指します。コンパクトデジタルカメラや、ミラーレスカメラにも採用されています。
通常、フィルムや撮像素子(イメージセンサー)に光が当たると露光してしまいます。物理的に光を遮っておき、撮影時のみシャッターを開閉させて光を取り込む形式が「機械的シャッター」です。一方、「電子シャッター(電子式シャッター)」は画素ごとの光信号を電気的に読み出す形で、この読み出し時間がシャッター速度に当たります。
電子シャッターのメリット
電子シャッターのメリットは大きく分けて2つです。
【電子シャッターのメリット】
(1) ボディの小型化が可能
(2) 高速シャッターが容易に実現可能
(1) ボディの小型化が可能
機械式シャッターのように複雑な機構は不要のため、省スペースでの運用が可能です。シャッターユニットにスペースを取られないため、ボディの大幅な小型化に繋がります。電子シャッターは一般的なコンパクトデジタルカメラに採用されていますが、その採用理由の大半は「読み出し機構が比較的シンプルに実現できること」と、「ボディの小型化が簡単だから」です。
(2) 高速シャッターが容易に実現可能
電子シャッター採用機種において、画素から電気信号を読み出す時間=シャッター速度です。読み出し時間を電気的にコントロールするだけなので、1/8000秒、1/16000秒といった高速シャッターが実現できます。機械式シャッターでは一定のランクより上の機種でないと1/8000秒のシャッタースピードは使用できないことを考えると、これは大きなメリットです。
電子シャッターのデメリット(ローリングシャッター歪み)
電子シャッターは、CCDのような全画素同時読み出しの「グローバルシャッター」と、CMOSのようなラインごとに露光・順次読み出し式の「ローリングシャッター」の2種類に分かれます。このうち、ローリングシャッターには「ローリングシャッター現象」または「ローリングシャッター歪み」と呼ばれる弱点があります。
別記事:「CCDとCMOSの違い」でも解説しましたが、CMOSはブラウン管の走査線のようにライン毎に順番にイメージを読み出して取り込みます。そのため、厳密にはライン毎に露光タイミングや読み出し時間がずれています。したがって、このライン毎の走査スピードよりも被写体が高速で動いていると、「読み出し開始」から「読み出し終了」までの間で画像がずれてしまい、ぐにゃりと動体が歪んだように写ります。また、ストロボのように瞬間的な瞬間発光を行った際も、「読み出し開始」と「読み出し終了」の間で画面の明るさに差が生じ、「画面の上半分は暗く、下半分は明るい」…といった画像が得られる場合があります。これがローリングシャッター現象(ローリングシャッター歪み)です。