「Have a break:05」
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写真・カメラの勉強に飽きたり、疲れてしまったときは、このカテゴリの記事で一息つきましょう。
機材・アクセサリー編にてフィルターを数多く解説しているので、今回の「Have a Break」ではプロテクトフィルターについて解説します。
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プロテクトフィルターって?
「プロテクトフィルター」はProtect(保護する)という意味からもわかるように、レンズをゴミや埃、傷などから守る保護用フィルターです。
PLフィルターのように偏光をカット・低減したり、NDフィルターのように光量を減らす効果などはありません。プロテクトフィルターはあくまでも、レンズの前面(前玉)の保護を目的としたアクセサリーです。
プロテクトフィルターの性能
プロテクトフィルター非常に安価なものから、高級なものまで、ラインナップは様々です。
リーズナブルなものも数多く存在しますし、家電量販店でレンズを買うと同時購入をよく進められるのでお持ちの方も多いと思います。主に「素材やコーティングの有無」などで価格が大きく変わってくるのですが、他のアクセサリーと異なり、あまりプロテクトフィルターにこだわって購入している方は少ない気がします。そこで、今回はプロテクトフィルターの性能を見るためのポイントについてまとめました。
ポイントは全部で6つです。1つずつ解説していきます。
(1) 透過率
(2) 強化ガラスの採用
(3) フィルター枠の薄さ
(4) フィルター枠の強度・加工精度
(5) 撥水コーティング・防汚コーティング
(6) 帯電防止コーティング
(1) 透過率
「フレアやゴーストの発生率」に繋がります。
撮像素子は、入ってきた光の一部を反射し、レンズ側に跳ね返します。このとき、フィルターのコーティングが弱く透過率が低いと、フィルターを透過せずに内側で光が反射して、レンズの中で内部反射してしまいます。この光の内部反射が、ゴーストやフレアといった現象を引き起こします。
(2) 強化ガラスの採用
「表面の傷の付きにくさや、割れ・変形に対する強度」に繋がります。
強化ガラスを採用することで、ガラスを薄く作ることにも貢献します。
(3) フィルター枠の薄さ
「ケラレの発生しにくさ」に繋がります。
フィルター枠が厚いと、広角レンズに装着した際に枠が写り込んでしまい、「ケラレ」が発生しやすくなります。
特に、写り込む範囲の広い「超広角レンズ」で発生しやすいです。薄く作られているものほど、高価になります。
(4) フィルター枠の強度・加工精度
「フィルター取り外しの容易さ、変形に対する強さ」につながります。
フィルターはレンズに切ってあるねじ山にねじ込んで使用するものがほとんどです。
強度の低いフィルターは、使用中に衝撃を与えてしまうと変形し、最悪の場合レンズから取り外せなくなってしまうリスクがあります。
また、素材が柔らかかったり、ねじ山の加工精度が低いものは、レンズに対し斜めに取り付いてしまい外せなくなったり、レンズ前面に過度なストレス(応力)を加えてしまう危険性もあるため注意です。
(5) 撥水コーティング・防汚コーティング
「水の弾きやすさ、汚れにくさ」に繋がります。
特に、屋外での撮影時に効果を発揮します。雨粒や汚れがレンズに付着すると画像に写り込んでしまうこともあり、コーティングである程度弾いてくれるのは心強いです。
(6) 帯電防止コーティング
「埃やゴミの付きにくさ」に繋がります。
帯電すると、静電気で周囲の埃やゴミを吸い寄せてしまうため、フィルター表面が汚れやすくなります。帯電状態ではゴミを吹き飛ばしたり拭き上げても、またすぐに付着してしまうため、帯電防止コーティングがあるとメンテナンスが楽になります。
プロテクトフィルターの注意点
プロテクトフィルターは、高価なレンズを守る有用なアクセサリーです。
しかし、他のフィルターと同様に、完成されたレンズの前に1枚余分なガラスを装着するわけですから、画質としては低下します。安価なフィルターを使っていて、分厚いガラスの場合は尚更です。着脱の手間を惜しみ、保護フィルターを常時つけたままの方も多いですが…。カメラを下げてアクティブに動き回る場合や、頻繁にカメラを動かす必要のあるときには装着しておき、必要に応じて外して撮影するのをお勧めします。
撮影をしていて、写りのキレがいまいちだなと感じたら、それはフィルターが原因かもしれません。
一度、試してみることをお勧めします。