写真の露出を決める要素のひとつ、「シャッタースピード」について解説します。
※既に別記事【基礎知識】露出・露光とは にて露出について理解した方向けです
シャッタースピードとは?
シャッタースピード変えると何が変わる?
シャッタースピードの覚え方
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写真の露出を決める3要素
【基礎知識】露出・露光とは にて、写真の明るさを決める露出は「撮像素子(イメージセンサー)やフィルムに当たる光の量で決まる」と述べました。
カメラやレンズには、この光量をコントロールする機能・機構が備わっています。
基本的に、写真の露出(明るさ)は、以下の3つの要素で決まります。
(1) シャッタースピード(SS)
(2) 絞り値(F値)
(3) ISO感度
カメラやレンズはこの3つの要素をコントロールすることで、露出・露光の条件を変えています。
聞き慣れない単語が出て戸惑うかもしれませんが、ひとつずつ記事を分けて解説していきますのでご安心ください。
これら3つの要素は写真・カメラを学んでいく上で必須といえる知識です。
本記事では、3要素のひとつ、「シャッタースピード」について解説します。
よく読んで、しっかりマスターしていきましょう。
シャッタースピード(SS)とは
シャッタースピードとは、「シャッターが開いている時間」のことです。
一般的に、シャッタースピードは、1秒、1/2秒、・・・1/500秒といったように表記します。
「1/4秒」などのように、1秒未満のシャッタースピードは"分数"で表されます。
シャッタースピードを変更すると?
では、このシャッタースピードを変えると、どのような効果があるのでしょうか?
具体的には、以下の2つが変化します。
(1) 写真の明るさ
(2) 動いている被写体の写り方
(1) 写真の明るさは…
シャッタースピードが速いと、撮像素子(イメージセンサー)やフィルムに光が当たる時間が短くなり、写真としては暗くなります。一方、シャッタースピードが遅いと、撮像素子(イメージセンサー)やフィルムに光が当たる時間が長くなり、写真としては明るくなります。
(2) 動いている被写体の写り方は…
シャッタースピードが速いと、動いている被写体の動きを止めて写すことができます。一方、シャッタースピードが遅いと、被写体ブレ(動いている被写体がブレる)、手ブレ(カメラ自体が動いてしまいブレる)が発生しやすくなります。
まず、高速シャッターでの例を挙げます。
上の写真は、水面から飛び出した「カワセミ」という野鳥を撮影した写真です。
このときのシャッタースピードは1/1600秒に設定しており、カワセミや水しぶきの挙動が止まって見えると思います。
続いて、低速シャッターでの例です。
上の写真は、「ミソサザイ」という渓流沿いに住む野鳥を撮影した写真です。
このときのシャッタースピードは1/200秒なのですが、ミソサザイは動きが速く、羽や尾羽がブレてしまっています。
これが「被写体ブレ」です。ブレを抑え、写し止めたい場合は、もっと速いシャッタースピードに設定する必要がありました。
まとめますと、ポイントは以下の2つです。
シャッタースピードが速いと、写真は暗くなりやすいがブレにくく、動きを止めて写せる
シャッタースピードが遅いと、写真は明るくなりやすいが被写体ブレ、手ブレなどが発生しやすくなる
シャッタースピードを速く設定するか?遅く設定するか?
絶対的な正解はなく、撮影時のシチュエーションや自分のイメージする表現に合わせ、適宜変更して撮影していくことになります。
シャッタースピードの段階
シャッタースピードは、「1段ずつ」変更すると、以下のような段階で設定できます。
1, 1/2, 1/4. 1/8, 1/15, 1/30, 1/60, 1/125, 1/250, 1/500, 1/1000, 1/2000, 1/4000, 1/8000
カメラや設定によっては「1/2段」や「1/3段」など、上記の変化よりも更に細かくシャッタースピードを変更できるものもありますが、ここでは基本となる1段ごとの変化を乗せています。
シャッタースピードの覚え方
1, 1/2, 1/4. 1/8, 1/15, 1/30, 1/60, 1/125, 1/250, 1/500, 1/1000, 1/2000, 1/4000, 1/8000
シャッタースピードの1段ごとの変化を上述しましたが、全てのシャッタースピードをいきなり丸暗記するのは大変です。ここでは、手っ取り早く覚えるコツをお伝えします。
私のお勧めは、「基準となるシャッタースピードを1つだけ覚えておいて、その数字を2倍、あるいは半分にしていく」覚え方です。きっちり全てが綺麗な倍数になっているわけではないのですが、あらかたは押さえられます。
例えば、スタートの基準として「1/250秒」を覚えておくとします。
この「1/250」を基準に順に2倍していくと・・・
1/250, 1/125, 1/60, 1/30, 1/15, 1/8...と、シャッタースピードがどんどん遅くなっていきます。
(※1/125 → 1/60の部分と、1/15 → 1/8の部分には注意です)
続いて、「1/250」を基準として順に半分にしていくと・・・
1/250, 1/500, 1/1000, 1/2000, 1/4000...と、シャッタースピードがどんどん速くなっていきます。
(こちらは、きれいな倍数になっています)
いきなり全てを覚えるのは難しいかもしれませんが、どれか一つのシャッタースピードを覚えておくと、あとはその数字を基準にスラスラと書き出せると思いますので、非常に楽です。
いかがだったでしょうか。
いきなり数字が多く登場し、戸惑った方も多いかもしれません。
1段ごとのシャッタースピードの変化量を覚えておくと、後々非常に楽になりますので、頑張りましょう!